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フィリピンは、最大労組のフィリピン労働組合会議(ALU-TUCP)が政府に対し、マニラ首都圏の最低賃金を1日当たり184ペソ(約410円)引き上げるよう要請した。同国の最低賃金は地域ごとに異なり、マニラ首都圏は現在、1日当たり491ペソと全国で最も高く設定されている。現地紙マニラ・タイムズなどが報じた。
同国では国家経済企画庁(NEDA)が2015年に貧困水準を1日当たりの収入393ペソに設定した。この水準は5人構成の1世帯が食費、住居費、被服費、移動費、教育費など、最低限の生活を送るために必要な金額とされ、最低賃金の目安になっている。
ALU-TUCPの幹部は「物価上昇などによってペソの価値が落ちており、491ペソではもはや生活を維持できない」と主張した。同幹部によると、491ペソを貧困水準設定当時の物価で調整すると357ペソとなり、水準を下回るという。
ただし、要請が受け入れられるか否かは未知数だ。昨年、ALU-TUCPは125ペソの引き上げを要請したものの、労働省に却下された。引き上げがインフレを加速させ、結果的に50万人の雇用が失われる恐れがあるというのが理由だ。
また、労働者側は政府に対し、地域ごとではなく全国一律の最低賃金を設定するよう求めている。ドゥテルテ大統領は昨年9月、全国一律の最低賃金導入に前向きな姿勢を示したとされる。地方と首都圏の最低賃金の差がなくなれば、首都圏の人口過密を軽減できるとの考えだ。
一方、全国一律の最低賃金を導入すれば、地方への投資流入が減少するとの意見もある。労働雇用省幹部は「企業はコストが安い方に流れる。最低賃金を統一すると地方の魅力の一つが失われる」と述べ、消極的な姿勢を示した。(シンガポール支局)
明治がスナック菓子「カール」の東日本での販売を今夏に終了すると発表して以降、駆け込みで買う人が増え、スーパーなどで品薄が続いている。販売終了は売り上げ不振を受けてのものだが、ネット上では惜しむ声が相次ぎ、今後復活を望む声も強まりそうだ。
◆相次ぐ売り切れ
大手スーパーのライフコーポレーションでは、5月25日に販売終了が発表されて以降、カールの販売数量が約4倍に跳ね上がった。6月も「売り切れが続いている」(広報担当者)という。同様に、いなげやでも「商品を出せば、その日のうちに売り切れてしまう」(広報担当者)状態だ。
ツイッターなどSNS(会員制交流サイト)では「寂しすぎる!」「カールおじさん、今までありがとう」などと、販売終了を惜しむ投稿であふれている。
カールの販売は、中部地方以東で8月生産分を最後に終了する。流通在庫などの状況にもよるが、9月には東日本の店頭からは消える見通しだ。
カールの生産拠点は全国5カ所にあり、うち大阪工場(大阪府高槻市)など4カ所では8月から順次製造を打ち切る。9月以降はグループ会社、四国明治の松山工場(愛媛県松山市)の生産だけになる。西日本では「チーズあじ」「うすあじ」の2品に絞り販売を続ける。
カールはトウモロコシを主原料にしたスナック菓子で1968年の発売だ。CMで流れた「それにつけてもおやつはカール♪」のキャッチフレーズとともに家庭に浸透した。
最初に発売された味は「チーズ」と「チキンスープ」の2種類で、「菓子は甘い」というイメージを崩した。93年には「チョコカール」も登場した。
多様な種類は味だけではない。98年、スティック型のカール「スティックチーズ」が発売された。カールは文字通り「くるりとした形」のイメージから名付けられただけに、スティック型の発売は同社内でも議論があったという。
2001年には受験生応援商品として、“試験に受かる”をもじった「ウカール」が登場するなど、累計200種類を超えるカールが発売され親しまれた。
しかし、ポテトチップスなどジャガイモ系の菓子に押され、1990年代には190億円程度あった年間の売り上げは徐々に減少。16年度は、最盛期のほぼ3分の1にあたる60億円にまで売り上げが減少していた。
データ分析会社のカスタマー・コミュニケーションズ(東京都港区)によれば、16年の全国スーパーでのカールの売り上げ順位は「チーズあじ」がスナック菓子の中で19位にすぎない。
ただ、明治はチョコレートやグミ、ヨーグルトで国内シェア1位を誇り、16年度の連結売上高は1兆2424億円。年間売上高が60億円程度のカールが東日本で販売をやめても、収益への影響は限定的だ。
明治は3年ほど前からブランドの存続について検討に着手。販売の全面終了も一時、取り沙汰されたが、「歴史ある商品」(広報担当者)を考慮し、西日本での販売継続に至った。
カールの販売不振の原因として考えられるのが、若者からの支持の低さだ。かつてCMに親しんだ中高年とは違い、カールの若者への認知度は意外に低いという。カスタマー・コミュニケーションズによれば、スーパーでカールを買う世代は40代が39.9%で最も多く、次いで50代の22.3%。他のスナック菓子に比べて、20代や30代の購入が少ない。
若者の認知度が低い要因が広告宣伝の少なさとされる。明治は「ブランド戦略やコストなどを総合的に勘案した」(広報担当者)結果、14年4月でテレビCMを打ち切っている。若年層の利用が多いSNS上での宣伝も後手に回った。
◆コンビニが追い打ち
そこに追い打ちをかけたのが、コンビニエンスストアの台頭だ。コンビニは、シェアが1、2位といった売れ筋の商品しか基本的には棚に置かない。
再編が進んだコンビニ業界は、セブン-イレブン・ジャパン、ファミリーマート、ローソンの3強で国内の9割超を占めるが、カールを扱っているのはファミリーマートの一部店舗にすぎない。
カールは他のスナック菓子との競争に敗れ、コンビニの棚から追いやられた。カールを手に取るためには、スーパーなどで買うしかなく、認知度がさらに下がる結果を招いた。
しかし、東日本での販売終了の発表を機に、マスコミやSNSで多く取り上げられ、逆に注目度は高まった。
カールは来年7月25日に誕生から50周年。「東日本での復活はないのか?」-。この疑問に明治の広報担当者は「販売終了を発表したばかりで方針に変更はない」と説明する。それでも販売が継続される西日本の売れ行き次第では、東日本で復活する可能性も否定できない。(大柳聡庸)
三菱重工業は14日、商船事業に関して大島造船所(長崎県西海市)と提携することで基本合意したと発表した。三菱重工の開発力と、大島造船所が持つ低コストでの生産技術を組み合わせて、国際競争力を強化して台頭する中韓勢に対抗するのが狙い。今後は新技術の開発や設計の共通化を進めるほか、生産拠点の相互活用も検討する。
三菱重工は、今治造船(愛媛県今治市)、名村造船所とも今年3月に同様の提携で基本合意している。他社との提携によって、業績の悪化した商船事業の立て直しを図る。
三菱重工は商船事業の分社化を検討中で、2018年度をめどに結論を出す方針だ。今月12日の事業戦略説明会では、慢性的な赤字が続いていた商船事業について、18年3月期に黒字化する見通しを示している。
同社は昨年8月、3社と提携に向けた協議を始めたと発表していた。
日本生産性本部が事務局を務める有識者会議の「経済成長フォーラム」は14日、流通・運輸サービスの生産性向上に向けた提言を発表した。人手不足で深刻化する宅配物流問題に対し、物流と商品のセット料金をやめ、物流費を明確化することや、物流サービスの内容に応じて料金を多様化させる仕組みを導入、消費者の受け取りの選択肢を広げる必要性を強調した。駅のオープンロッカーやコンビニでの受け取りでは配送料を割り引くことや、タクシーなどで需要が多い際に割増する代わりに、需要が少ない時は割り引く料金制度などを提案した。
スウェーデンのヘビメタバンド「ゴースト」は10年前に活動を始め、悪魔崇拝をイメージした衣装や歌詞でカルト的な人気を獲得。メンバーはステージ上で不気味なマスクを着用し、正体を明かさないこともグループの神秘的なイメージ形成に一役買っていた。
だが順調だった活動も、最近はメンバー間の訴訟がきっかけで一転した。訴状などによれば、バンド内では報酬や衣装の洗濯にまつわる問題であつれきが生じていたことが判明。悪魔のようなバンドメンバーたちも世俗的な人間であることが露呈した格好だ。
多くのアーティストが音楽だけでなく私生活も切り売りする時代の中で、匿名性を貫いたゴーストはファンの心を引き寄せた。頭蓋骨風メークでリードボーカルを務める「パパ・エメリトゥス」は、逆さ十字をあしらった法王風の帽子をかぶってパフォーマンスを見せる。ネームレス・グールズ(名もなき悪鬼)と呼ばれる他のメンバーも、銀色のマスクを着用して舞台に立つ。バンドは昨年、このいでたちでグラミー賞授賞式に出席し、受賞スピーチも行った。
だが今は4人のネームレス・グールズが、パパ・エメリトゥスことトバイアス・フォージ氏(36)を訴えている。フォージ氏が金銭面で他のメンバーをごまかしており、バンドのパートナーとして利益を公平に分け合うとの合意がほごにされたと主張する。
訴訟でメンバー全員の素性が明らかになったことに対し、世界中のファンはさまざまな反応を示している。訴状に細かく目を通してバンドを調べるファンもいるが、ゴーストの不気味なイメージが台無しになってしまったと批判する声もある。インターネット上には「裁判によって、メンバー全員がつまらなく欠陥のある人間」であることが分かったとする書き込みも見られる。
衣装の洗濯で意見衝突
カナダのハリファックスに住むキャスリーン・ヒギンスさんは、お金や日常生活にまつわるバンドの内紛が表面化したことにがっかりし、裁判に関する情報が目に入らないよう気をつけているという。「ブロードウェーで舞台を見ているようなもの。『オペラ座の怪人』を子供の頃に鑑賞した時、誰が演じているかや彼らが朝食に何を食べたかなどには興味がなかった」とヒギンスさんは話す。
ステージ上のパパ・エメリトゥスは「サタン」や「ルシファー」といった言葉が並ぶ歌を歌い、オカルト集団のリーダーのようにオーディエンスを盛り上げる。だが裁判書類によれば、2013年に米国をツアーした際、バンではなくバスが提供されることに興奮していた様子も分かっている。書類に掲載されたフォージ氏のメールには「米国での移動は本物のツアーバスを利用できる!」と喜びの言葉が並ぶ。
またライブ後の衣装は、ネームレス・グールズの一人がアパートの共有洗濯機を使って洗っていたことも分かった。元メンバーのマーティン・パースナー氏は「サッカーチーム全員分の汚れたユニホームを洗うのと似た状況だった」とインタビューで明かす。裁判の資料にはライブ会場で洗濯することができないか、パースナー氏が懇願する内容の文面もある。同氏は長年にわたってゴーストでギタリストを務めたが、昨年バンドから脱退し、今回の訴訟には加わっていない。
「非常識なほど不誠実で、欲深く、ダーク」
バンドの人気が高まるのと並行し、「リチュアル(儀式)」と呼ばれるゴーストのライブにはステンドグラスやお香なども導入され、プロダクションも精巧なものになっていった。バンドの友人や観客がエキストラとなり、修道女の格好をしてステージに上がることもあった。
だが舞台裏では、ごく日常的なやりとりが続けられていた。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が入手した資料によれば、ゴーストはライブ会場にビールや室温に保たれた飲料水を準備しておくよう要求。バナナにアレルギーを持つスタッフがいるため、ケータリングエリアのバナナは袋の中に入れておくとする指示も見られる。また「ハーシーではない」良質なチョコレートもそろえておくよう求めており、指示書には「人の体は食事によって作られるため、われわれは健康を維持したいと考えている」と記載されている。
舞台裏で最も激しかったメンバー同士の衝突は、金銭面についてだ。フォージ氏が先週法廷に提出した書類にはバンドの給与に関する議論の詳細が記述されているほか、ネームレス・グールズたちは雇われミュージシャンにすぎないと書かれている。またフォージ氏は裁判によってゴーストの「ミステリアスな部分が壊された」とし、匿名で活動しているネームレス・ゴールズは代替可能だとした。フォージ氏には当記事に関するコメントを求めたが、返答は得られなかった。
パパ・エメリトゥスはファンに発表することもなく、最近は新たなネームレス・グールズをメンバーに加え、今月に入り米国ツアーを開始している。
訴訟を起こした元ネームレス・グールズたちはWSJのインタビューには応じなかった。ただ4月に発表された声明文では、フォージ氏が「非常識なほど不誠実で、欲深く、ダークだ。ダークといってもゴーストが歌う曲のようなダークさではなく、富と名声に手が届きそうになると親友たちを裏切るようなダークさだ」としている。
ゴーストのファンの中には訴訟前からメンバーの情報を探り当てた人もいる。だがバンドにとってアイデンティティーを隠すのは演出効果を高める手法の一つだった。「漫画のキャラのように、5人の男たちをそれ以上のものに仕立て上げること」が目的だったと元メンバーのパースナー氏は話す。そのパースナー氏は自身のバンド、マグナ・カルタ・カルテルを広めるため、ユーチューブで自らの身元を明かした。
By John Jurgensen